[第2章-2] フィルターで色を補正する

同じ太陽であっても一日の間でその色温度は大きく変化する。日の出や日没時には3000K前後、日中の正午頃では5000K~7000K前後となる。夕焼けや電球の光は色温度が低く、5500Kを基準として設計されたデーライトフィルムを使って撮影すると、肉眼で見た以上に赤色が強調されて写る。つまり5500Kを基準点として、色温度が低い光源では赤っぽく、色温度が高い光源では青っぽく写るのである。

光源の色温度を補正するためには『LB(ライトバランシング)フィルター』を使う。そのままレンズに装着できるタイプと、装着用の器具を別に用意する製品とがある。LBフィルターには色温度を上げる『ブルー系』と、色温度を下げる『アンバー系』があり細かい段階ごとに分かれている。

デーライトタイプのポジフィルムでLBフィルターを使わずに肉眼に近い色合いを再現できるのは、厳密に言えば正午前後の1~2時間程度であり、屋外で人物撮影をしたり、建築物の色合いを正確に再現したい、という場合にはLBフィルターが必要となる。人間の目では常に補正がかかり現在の色温度を正確に知ることができないため、カラーメーターという機器と組み合わせて使用する。