[第2章-1] 色温度について知ろう

ポジフィルムを使って撮影すると、その光源の種類や時間帯によっては肉眼で見た場合と異なった色調で写る場合がある。日中屋外の同じ時間帯であっても晴天と曇天、ビルの陰などでは色合いが異なって写る。それは『色温度』の違いによる影響である。

色温度は『K(ケルビン)』という単位で表す。金属片を熱していくと最初は赤い状態となり、さらに熱して温度を上げていくとオレンジ、黄色、白となり、さらに加熱すると青みがかった色となる。このように温度と色には一定の関連性がある。

晴天の日中の太陽光は、5500K前後である。市販されているデーライトタイプのフィルムや、デジカメやビデオカメラのホワイトバランスの『太陽光』『デーライト』は、この5500Kの光源を用いて撮影した時に、肉眼で見た時と同じような色調に写るように設計されている。機種によって多少の違いはあるが、撮影スタジオの大型ストロボも5500K前後の光を出す光源として設計されている。この5500Kという光は、カラー写真の撮影において、最も標準的であり、常に基準として考えるべき光である。