[第5章-2] 太陽光こそが理想的な光

よく普段スタジオで撮影しているプロカメラマンは、屋外で太陽光の下で撮影すると、全然思ったような写真が撮れなくて苦戦すると言う。反対に、普段は太陽光で撮影することの多いプロカメラマンは、いざ室内やスタジオなどで人工光を使って撮影しようとすると、やはり思ったような結果が出せない場合が多い。それらは同じカメラを使って撮影するとしても、光源が異なるということだけで、それぞれ別々のノウハウが必要であることを意味している。

太陽光は写真にとって理想的な光源の一つであるといえる。それは太陽光が巨大で明るさが強力で、地球から何万キロも離れた場所から照らしている光源だからである。時折現れては消える雲は、太陽光を柔らかくデュフューズし、使用料が何万円もする撮影スタジオと同等以上の理想的に光を照らしてくれる。

残念ながら、室内ではせいぜい数メートルから数十メートル程度しか被写体と光源を離すことはできないため、太陽光と全く同じ性質を持った光源を使用することはできない。しかし、工夫によって太陽の性質をシミュレートして撮影することは可能である。例えば『真夏の太陽下で撮影したような写真』を室内で撮影しようとした場合、被写体の真上付近から、生のストロボ光を被写体に直接当てるのである。そうすれば、被写体には上から下に強い影ができ、真夏の太陽下で撮影したような写真が撮れるのである。

写真は光源の大きさや明るさ、被写体からの距離などの違いによって、撮影結果に大きな違いをもたらす。ライティングは写真の中でも突き詰めていけば難易度は高く、誰でもが身に付けられるものではない。写真の中でも長年“プロの領域”とされてきたように思う。しかし、昨今では家庭でもネットオークション用写真の撮影や、一般企業でも営業マンや事務員など写真家でない人間が簡易的に商品撮影を行うような場面も増えているように思う。