[第3章-5] 2本目の購入に適したレンズ

最初に50mmのレンズを使っていたとして、2本目に揃えるべきレンズはどの焦点距離だろうか。よく撮る被写体にもよるが、風景やスナップ写真が多いなら24mmか28mmの単焦点をお勧めしたい。『28mmなら最初から標準ズームレンズを買ったほうが早いのでは?』と思うかもしれない。

だが、被写体に向き合う姿勢を学ぶ上で、最初に50mmの単焦点レンズを選択するメリットは大きい。カメラポジションやアングルを工夫したり、フットワークを機軸とした撮影技法を身につけるためには50mmが最適なのである。絞れば広角レンズ風に、開ければ望遠レンズのように背景をボカすことができるのが50mm単焦点レンズである。

古くから風景撮影や商品撮影で使われている大型カメラではズームレンズというものは存在せず、中型カメラでも単焦点レンズが一般的である。35mmカメラやデジタルカメラを使う場合でも、商品撮影専門のスタジオなどではレンズと言えば単焦点レンズを意味する場合もあるくらいで、品質を求める撮影ではレンズと言えば今も昔も単焦点なのである。

話は戻るが、広角側の焦点距離を使う必要を感じなければ、そのまま50mm一本でも構わないと思う。しかし、現実世界には50mmだけでは写せない写真というのも確かにある。そのような問題に直面した場合には、解決策として24mmや28mmを検討に入れれば良い。

風景よりも人物を撮る場合が多い場合は、85mmのレンズが候補に挙がる。人物を撮る場合、カメラマンと被写体との距離感が重要になるが、この85mmというのはポートレートレンズとも呼ばれており、距離感が丁度よいとされている。50mmよりも開放付近でのボケ方がより大きいものとなる。50mmで人物を撮影していて、近づいた時の『歪み』が気になるような場合も、85mmなどの焦点距離が長いレンズを検討すべきである。

小物や静物も撮る場合は、85mmの代わりに各社から発売されている90mmや100mmのマクロレンズを代用する方法もある。マクロレンズは被写体に数センチまで近づいて撮影できる接写用レンズだが、商品撮影や人物撮影などにも便利に使えるので、本来の接写撮影だけに留まらず利用範囲は幅広い。

“モノ”としてのマクロレンズ以外に、接写や撮影する技法としてテレマクロがある。単純なことで、最短撮影距離の短い望遠レンズや高倍率ズームレンズを使って、寄って取るのがテレマクロだ。コンパクトカメラでは構造的にテレマクロが可能なのが一般的なので、一眼レフカメラ用レンズでも、商業的理由でテレマクロが可能なレンズが昨今増えている。