[第1章-10] フィルムを選ぶ

写真用フィルムには、ポジフィルム、ネガフィルム、モノクロフィルムがある。デジタルカメラの普及でいくつかのメーカーはすでにフィルム販売から撤退してしまったが、フジフィルム社やコダック社のフィルムなら、近所のカメラ用品店でも容易に手に入れることができるだろう。

ポジフィルムはスライドフィルムとも呼ばれ、撮影して現像すればそのまま肉眼でも正しい色のついた像を見ることができる。もちろんプリントすることもできるし、フィルムスキャナーを使えばパソコンに取り込むこともできる。露出など撮影技術に対してシビアではあるが、カメラマンの意図したように撮ることができるのが利点で、プロはもちろん、作品撮りをするアマチュアなどでもよく使われている。これから写真を勉強していくという場合には、最もおすすめできるフィルムである。

ネガフィルムは『写るんです』にも使われている、露出や色に対しての柔軟さがあるフィルムだ。現像しただけでは茶色っぽい像しか見ることはできず、プリントすることを前提としている。ポジフィルムのように撮影者が厳密に仕上がりをコントロールすることは難しいが、プロの間でも結婚式場のカメラマンなど、失敗ができない場面や一回しか撮影がないような場面では、あえてネガフィルムが選ばれる場合もある。

使い方次第では便利なフィルムではあるが、色など画質面ではポジフィルムに一歩譲る部分もあり、写真撮影を学んで自分の作品を撮ろうという場合には使いづらい場合が多い。なぜなら、普通はネガフィルムのプリントは写真店に任せることになるが、多くの場合、撮影者の露出意図、カラーコントロールなどが正確に反映されることがないからだ。しかし、スーパーなどに入っているミニラボの一部や、プロ向けのプロラボではプリントに対して色味等の注文をすることができる。一般的に料金は後者の方が高いが、より細かく注文ができる。

最後に説明するモノクロフィルムは、一般的にはモノクロ・ネガフィルムを指す。自宅に暗室を作れば現像用の機材、薬品類などか必要になるが自分で現像?プリント作業を行うこともできる。フィルムで撮影している写真教室や、大都市に限るが一般向けに貸し出ししている暗室も一部にはある。

同じ写真という世界でも、モノクロ写真はそれだけで何冊も解説本や写真集出ているほどに奥が深い分野でもある。白~黒の濃淡だけで表現されたモノクロ写真は、写真表現の原点とも言える。せっかく写真の世界に足を踏み入れようとするならば、ぜひ一度は、失敗しながらでも挑戦してみるべきである。