レンズとは、カメラにとっての目である。大型量販店のカメラコーナーにいくと、何十種類もの交換用レンズが並んでいる。しかし、機材集めが趣味という人を別にすれば(それはそれで構わない趣味だが)、プロや作品撮りがメインの撮影者が何十種類ものレンズを持つ必要があるケースは稀で、2~5本程度あれば世の中に出回っている大抵の写真は撮影できる。
とある写真家は撮影に出かける時、カメラ1台と標準レンズ1本しか持っていかないと言う。フィルムの大型カメラの場合、撮影時にフィルムを一枚ずつセットするのだが、フィルムさえも2枚(うち1枚は予備)しか持っていかないという。かえって、写真に精通していない人ほど、沢山の機材を持っていこうとする傾向があるのではないだろうか。
カメラの種類により標準レンズの焦点距離は違うが、35mm一眼レフの場合は50mmが標準レンズとされている。ズームレンズの場合、28-80mm程度が標準ズームレンズとされている。これらのレンズが標準と呼ばれる理由は、その焦点距離で撮影した時の画角(写る範囲)が肉眼で見た時の視野に近いからである。どのメーカーのカメラでもこれらの焦点距離のレンズは必ず用意されており、望遠レンズや広角レンズなどに比べて、単焦点の標準レンズは低価格品でもF値が明るめでコンパクトかつ高画質な製品が多い。